平塚駅からバスで20分 静かな住宅街にある「真土大塚山公園」

平塚市で私が最初に住んだのは、海から歩いて5分の場所でした。そこから学生時代に駅北側の郊外エリアに引っ越し、根を下ろした場所が真土という地区です。
当時は古くからの田畑が広がり農業や酪農をされている家が多く、屋号で呼び合う方々が多い場所でした。
引っ越ししてから、近所の人と立ち話をするような仲になると、「お嫁に来た当時はお茶振る舞いと言って花嫁衣装に身を包み、家々に挨拶に回るような古い風習がある場所なのよ」と教えていただき驚いたものでした。

そんな真土では、平塚市によって平成8年9月28日に真土大塚山公園が開設されました。この公園の特徴は、真土地区にあった砂丘を利用して大塚山古墳を再現したことです。その後周辺の開発も進み、新築住宅やアパートがこの地区に建ち、地元の憩いの場として通年で楽しめる存在になりました。今回はそんな真土大塚山公園をご紹介します。

朝の顔と昼の顔、公園の色々

公園は東西に長く、東の入り口から遊具と砂場が並び、長いローラー滑り台が人気です。できた当初は子どもたちが並んで乗るほど賑わっていました。

公園の前に小学校があることから、朝は公園を抜けて学校に登校する生徒さんたちが遊具を眺めながら歩いている姿も見られます。

この数年新型コロナが原因で、公園を利用する子どもたちの姿がありませんでしたが、ようやくにぎやかな声が飛び交い楽しそうに駆け回る子どもたちを見かけるようになりました。

朝9時をすぎると、地元の老人会の方々がゲートボールをしようと集まっている姿を見かけたり、週2日晴天の日限定で、民生委員の方が健康体操を開催したりしています。

また公園の外周をマラソンの練習として走っている方もたくさんいらっしゃいます。昼間もそうですが、夜になると社会人の方が仕事から帰って健康維持のためにランニングしている姿も多く見られます。

桜の時期になると、夜桜見物にくる人たちもいるくらい立派な桜の木が植わっています。早咲きで有名な河津桜と同じ種類の桜の木です。それが咲く頃になると、春がもうそこまで来たなという目印にもなっています。

ホッとする憩いの場所

公園にある東屋は、犬の散歩中にひと休みする方や遊んでいる子どもを見守るお母さん、駆けまわった子どもたちが休憩する場所になっています。四季折々のイベントで使われる重要な場所で、大きい広場と小さな広場の境界に建っています。
これが公園の雰囲気をぐっと引き締めてくれる重要な場所なんじゃないかなと思いながら、私もいつもここに座って愛犬とゆっくりしています。
梅雨時期は下校途中の中学生が雨宿りして、数人でお喋りしている姿も見かけることもありました。

公園の西側には不思議なエリアがあり、ポケモンGOをする子どもや大人が休日になると集まってきていたのが印象的でした。小さなお子さんがおままごとをする場所として石をテーブルにしたり、椅子に見立ててのんびりと座っている姿も見受けられます。

親子のコミュニケーションに欠かせない場所だなと、ポケモンGOのやりとりがおもしろい時期がありました。

その先には大塚山古墳を再現した小高い山があり、そこを駆け登ったり、転がり落ちてくる子どもたちがたくさんいて楽しそうです。

地域をつなぐふれあいの公園

また、ゴールデンウィーク期間の1日は大塚山公園まつりが開催され、地元の各団体を中心に、模擬店や子ども神輿などでにぎわいます。次の世代を担う子どもたちを育てようと開催されていて、太鼓保存会の青年たちが手本になり、祭囃子や太鼓を子どもたちに教えることもしています。

最近では次なる担い手が不足していますが、若い青年部が主体となり地元を盛り上げようと頑張っている姿を拝見して、素晴らしいと思いました。

またお盆の時期になると、毎年盛大に盆踊りが開催され、参加人数も相当なもので、いかに地域の方々が協力的なのかがわかります。

コロナ以降開催されていませんでしたが、今年の夏は盛大に開催され、明るいうちからたくさんの参加者がいました。

季節によって、桜が満開でピンク色になっていたり、緑が眩しいほどキレイだったり、紅葉していたりと、さまざまな様子を見せてくれる大塚山公園は地域住民の憩いの場所になっています。
サイクリングやバスで市内散策に訪れてみても、とても良いスポットです。

真土大塚山公園
住所:神奈川県平塚市西真土3丁目1019-1
アクセス:JR東海道線「平塚駅」北口からバスで「坂口」下車。
電話:みどり公園・水辺課 0463-21-9852

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。