箱根連山に沈む夕陽とオレンジ色に輝く海岸線 平塚砂丘の夕映え

平塚八景のひとつに認定されている「平塚砂丘の夕映え」。
これは特定のスポットのことではなく、夕暮れ時の夕陽がしずむ瞬間の平塚海岸の美しい風景を切り取って名付けられたものです。
地元にいてもなかなか見ることができない感動的なその景色は思わず呼吸を忘れて見入ってしまうほど。
ぜひ一度体験してほしい「平塚砂丘の夕映え」をご紹介します。

平塚駅から海まで約20分

平塚駅には改札が2つあります。
駅ビルのラスカ平塚につながるメインの東口改札と、ホームの一番西側に位置する西口改札。
平塚砂丘の夕映えがのぞめる平塚海岸へは、この平塚駅西口をスタートします。
西口改札を出て左手の階段を降り、住宅街を海に向かってどんどん歩いていくこと約20分。

海沿いを走る国道134号線に突きあたったところ、「袖ケ浜」の信号を渡り右手に見える歩道橋の方面へ進むと、今は使われていない龍城ヶ丘プール跡地が海岸への入り口になっています。

自然のままののどかな海岸

平塚市と茅ヶ崎市の間を流れる相模川から平塚市と大磯町の間を流れる花水川までの全長約4キロメートルの平塚海岸。
平塚海岸は視界を遮るものがほとんどないため端から端までをほぼ見通すことができ、東側には茅ヶ崎のシンボル「えぼし岩」や江の島、西側には富士山はもちろん伊豆半島の方面まで眺めることができます。

波打ち際でたわむれる家族連れや釣り人、犬の散歩を楽しむ人などが集う海岸は、いい意味で何もない自然のままの趣です。

浜辺一帯は平たんではなく起伏があり、浜の入り口付近にはヒルガオなどの海浜植物が生えているところも。

なかなかワイルドな海岸線です。
丘の上から海岸線を眼下に眺めることも、丘の斜面を下りて波打ち際まで行くこともでき、色んな楽しみ方ができますよ。

この平塚砂丘は、地元の人たちの中では初日の出スポットとしてもおなじみ。
元日の早朝にはたくさんの人が集まるこの海岸。
ずらっと人が並んで日の出を待っている風景もまた平塚砂丘の名物といえます。

遊泳禁止となっているこの一帯は波が比較的高いことでも知られていて、サーファーなどのマリンスポーツを楽しむ人も。
次々に打ち寄せる迫力たっぷりの波を見ていると時間を忘れてしまいますね。

刻一刻と変化する景色

夕方になると、太陽の光が徐々にやわらかく赤みを帯びてきます。
見通しの良い平塚砂丘は周囲一帯が夕陽に照らされて水面がオレンジ色に輝き、箱根連山のむこうに見える富士山の山肌も、一部がうっすら赤く見えることも。

あたりが一面オレンジ色になったのに圧倒されてしばらくぼーっとしていると、みるみるうちにグラデーションが濃くなり、日が落ちて山々はシルエットになっていきます。

「日が暮れてきたかな」と思ってから、夕陽が沈むまではあっという間のできごと。
刻一刻と色が変化していき風景が変わっていく様子は、写真にはおさまりきらない圧倒的な美しさです。
最高の夕映えを見たいなら、日没時間の30分前には待機しておくことをおすすめします。

平塚八景が納得の絶景

丘を下りた波打ち際で波の音を聴きながら夕暮れを待つひと時は、なんともいえない癒しの時間でした。
この夕映えを丘の上から一歩引いて見てみると、また違った、より絵画的な美しさがありそうです。

丘の手前の海岸入り口近くにはベンチが置かれた休憩所があり、ベンチの横にひっそりと立つ「平塚砂丘の夕映え」の石碑と、なかば海浜植物に埋もれた説明書きを発見しました。

もしかすると、このベンチから眺める夕映えこそ、正真正銘の「平塚砂丘の夕映え」なのかもしれません。
ぜひ自分だけのベストオブ平塚砂丘の夕映え、探してみてはいかがでしょうか。

平塚砂丘の夕映え
住所:神奈川県平塚市袖ケ浜
アクセス:JR東海道線「平塚駅」西口より徒歩約20分

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。