平塚市総合公園となり!バラが見頃のパイロット通りに佇む『蒔絵工房NAMIKI』

初夏のさわやかな季節、平塚を彩る花といえば「バラ」。バラのまちを掲げる平塚では、市内に見どころがいくつもあります。
その中で、おすすめしたいのが総合公園のお隣にある工場・パイロットコーポレーション平塚事業所がある通称「パイロット通り」。広い敷地の道路沿いはバラが生垣のように植えられています。色とりどりのバラが咲いている姿は圧巻!

そして、パイロットコーポレーション平塚事業所では、万年筆を一貫して作っています。手ごろなものから高級品まですべて平塚産。

伝統工芸である蒔絵を使った高級万年筆の展示をしている『蒔絵工房NAMIKI』を見学させていただきました。道路沿いのバラや工房の様子をレポートいたします!

「バラのまち平塚」のおすすめスポット・パイロット通り

平塚市内を南北に走る県道606号(大島明石線)は、平塚八幡宮の横を通り、伊勢原に近い大島交差点まで続く道。市民には「パイロット通り」と呼ばれていて、パイロットコーポレーション平塚事業所内約350メートルに渡って約30種、230株のバラが連なって咲いています。

このバラですが、平塚市内でバラの栽培が盛んになる前の昭和24年からはじまりました。工場開設時に創業者がバラ栽培を決めたのは、バラを丹念に育てることは、ものづくりを大切にすることにもつながる。そんな思いが込められているそう。

またイギリスのダンヒル社と提携して、高級蒔絵万年筆「NAMIKI」ブランドが誕生したこともあり、イギリスの国花であるバラを植えたというお話も。ステキな由来ですよね。

バラが咲くと、夏の足音を感じませんか?平塚市の公式HPにもバラを楽しめるスポットとして記載されています。
平塚総合公園に遊びに行く際は、ぜひバラにも注目してくださいね!

パイロットコーポレーション 平塚事業所

平塚の総合公園の近辺には、有名な企業の工場が多いのですが、パイロットコーポレーションもその一つ。この地域一帯は昔、海軍第二火薬廠(工場)がありました。
戦後の昭和23年(1948年)に、火薬廠跡地に平塚事業所を開設。以来、同社の万年筆をすべて生産しています。細かいものも含め、すべての部品や製造を一社で完結しているのは、日本のみならず世界的にみてもパイロットのみとのこと。

大正5年(1916年)に並木良輔氏が純国産の金ペンを完成させ、2年後に前身の並木製作所を創業されたことからはじまりました。長い歴史をもつ会社なんですね。

『蒔絵工房 NAMIKI』

『蒔絵工房 NAMIKI』は、海軍第二火薬廠の建物を移築して利用されています。レンガ造りの歴史的な建造物で、平塚で現存している旧火薬廠唯一の建物です。
玄関を入ると大正時代を中心とした万年筆などの展示スペースと、パイロット社内の蒔絵師さんたちの作業場となっています。

中の様子は残念ながら撮影NGだったのですが、絵万年筆、蒔絵箱、蒔絵額などの漆芸品やポスターなど、約100点が展示されています。

大正13年(1924年)に発売したのが漆を使った工芸「蒔絵」を施した万年筆。当時主流だった金属軸やエボナイト軸に代わる日本独自の技術として、万年筆の軸に漆を使用しました。
さらに蒔絵など伝統工芸の技術を使った高級万年筆の技を今に伝えています。石川県などの匠・人間国宝の先生方とも協力して作られているものもありました。
本物はまさに圧巻。美しくため息のこぼれる作品たち。一度見たらその素晴らしさに、世界の人々を虜にした理由がわかると思います。
蒔絵がどのように作られていくか、各工程のモノも置かれており、細工の細やかさにはびっくりしました!当日は社員の方が案内・説明をしてくださるので楽しく見学できました。

漆や蒔絵の技法を使った高級万年筆「NAMIKI」シリーズは、もちろん国内外で販売をされています。平塚駅・駅ビルのラスカ5階にあるサクラ書店の文具コーナーで取り扱いがありますので、実物を手に取ることができますよ。

『蒔絵工房 NAMIKI』の見学は事前予約が必要で、入場は無料です。ご興味のある方はぜひ伺ってみてくださいね!

ちなみに、工場見学は基本的には受付をしていないのですが、平塚市内の小・中学生の工場見学は受け入れているそう。我が家の子どもが小学生だった時に見学に行って、ボールペンの組み立てをさせてもらったと喜んで話していました。

蒔絵工房 NAMIKI
住所:神奈川県平塚市西八幡1-4-3 (株式会社パイロットコーポレーション 平塚事業所内)
アクセス:JR東海道線「平塚駅」北口からバスで約10分
「総合公園」バス停下車、徒歩すぐ
開催時間:月~金 10:00~12:00 / 13:00~16:00
※見学の際は予約が必要となります。
電話番号:0463-35-7069(平日10:00~16:00)
入館料:無料
休館日:土・日・祝日、年末年始・夏季休暇

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。