今回紹介するのは、平塚市岡崎にある、創業明治41年という歴史のある和菓子店「和菓子処 光月堂」(以下、光月堂)です。光月堂の銘菓「片葉の葦(あし)」は、平塚市観光協会推奨銘菓にも選ばれています。
『季節を感じられる和菓子を一つ一つ手造りで』をコンセプトにしている光月堂は、必要以上の添加物を使っていません。
そのため、賞味期限は最短当日のものもあります。
材料にこだわり、地元で愛され続けている「光月堂」をご紹介していきます。
規格外の平塚産枝豆をおだんごに
平塚市内で作られた枝豆の中には、粒の大きさが不ぞろいなどの理由で市場に出回りにくい規格外の枝豆があります。
規格外の枝豆が廃棄処分になってしまうことを知った店主の月本宗男さんは、「味は変わらないのに捨てるのはもったいない」と声をあげ、2018年よりJA湘南を介して市内の枝豆生産者と取引を開始しました。
そこで作られたのが「ずんだだんご」です。
枝豆の鮮やかな翡翠色を活かしただんごは、通常の配分より少し多めに塩味を足すことでしつこくないさっぱりとした味わいが口の中に広がります。
また粒の裏ごしを徹底することで、口当たりをまろやかに仕立てているのもおいしさの秘訣でしょう。
季節限定にはなりますが、あさつゆ広場でも販売しております。
店主の月本宗男さんは、「今後も規格外の野菜を活用して、地産地消に貢献したい」と当時のタウンニュースの取材でこたえていました。
そのメッセージ通り、「ずんだだんご」は市内枝豆生産者と取引をして作り続けています。
平塚を代表する銘菓「片葉の葦」
光月堂の看板商品でもある「片葉の葦」は、抹茶・小倉・梅肉の3種類の味があります。
商品名の通り片葉の葦の絵が入った円形の最中のなかの餡は、3種類とも素材の味を感じることができる甘さです。
外側の皮は、しっとりとした舌触りで、ほんのり甘さを感じるおいしさでしょう。
また、「片葉の葦」という名前は、岡崎城を築いた岡崎義実の嫡子義忠と乳人に関する伝説に由来しています。
伝説を要約すると…
義忠が幼い頃に悪病にかかり、乳人は最善を尽くすために大山不動尊に日参。ある晩疲れ切って帰城する乳人は盗賊の気配を感じ、路傍の溝に隠れて一心に不動明王を念じました。
すると風が吹き起こり、葦の葉が片なびきして乳人を覆い隠します。おかげで乳人は助かり、義忠の病状も快方に向かったとのことです。
伝説をもつ「片葉の葦」は、名前の由来からも歴史を感じさせてくれます。
ひと息つけるような気遣いが
店内には、ちょっと腰掛けるのにちょうどいい椅子が設置されています。
買い物に付き添いで来た方や長時間歩くことが困難な方、1人でも座っていられる子どもなど、老若男女問わずあるとうれしいスペースです。
この椅子ひとつ見ても、店主の優しさを感じることができます。
地元に愛されているお店ならではの心遣いでしょう。
四季を感じさせる装飾
取材させていただいたのは、端午の節句を控えた季節でした。
そのため、店内には鯉のぼりが飾ってあり、かしわ餅の注文が始まっていました。
また、ショーケースの中にも春を感じるような淡く明るい色づかいの和菓子が並んでいます。
季節ごとにショーケースの中の色味が変わるのも、見ているだけで風情を感じられるでしょう。
かわいいうさぎのマシュマロもあり、中には甘いいちごジャムが入ってます。
見た目のかわいさと、子どもが好むちょうどいい甘さと食感が和菓子店では意外な商品ですが、人気の商品の1つです。
金平糖や、お煎餅などの焼き菓子も充実してるので、生菓子だけでなく、長持ちする菓子もおすすめですよ。
冠婚葬祭・お祝いにもおすすめ
「光月堂」では、赤飯・一升餅・紅白まんじゅう・青白まんじゅうがオーダーできます。
これらは、日本の文化や風習を感じることができるだけでなく、そのおいしさや風味も楽しめます。
特別な日やお祝い事の際には、家族や友人と一緒に食べることでその意味合いもより深まります。
大切な日だからこそ、おいしい和菓子でもてなしましょう。
ぜひ「和菓子処 光月堂」を訪れて、お気に入りを探してみてください。
和菓子処 光月堂
住所:神奈川県平塚市岡崎4235
アクセス:JR東海道線「平塚駅」よりバスで約20分
営業時間:8:00~18:00
電話番号:0463-58-5530
定休日:無休