大磯駅「つきやまBooks Arts & Crafts」で出会う本と作家と活版印刷

大磯駅から徒歩約2分。茶屋町路地の入口に、植物に囲まれたレトロな一軒家があります。

食を中心に暮らしや文化をテーマにした本、器・クラフトが集まる「つきやま Books Arts & Crafts」。

中に入ると店内と作家さんの作品の空気が、お互いを引き立て合う他にはない空間でした。

茶屋町路地にたたずむ時代を引き継ぐお店

「つきやまBooks Arts & Crafts」は大磯駅を右に出て線路沿いを歩き、お肉屋さんの路地を左折。そのまま少し歩くと見える、昭和の雰囲気のある一軒家です。

時代を感じる建物は、吉田茂さんの番記者が通っていたという元居酒屋。当時のお店の屋号「月山」を引き継ぎ、「つきやま」という名前に決めたのだとか。

時間の経過を感じつつ、心地よく整えられていて絵になります。

お店の路地を挟んだ向かい側には、古民家を改装した「茶屋町カフェ」が営業中でした。
「つきやまBooks Arts & Crafts」の周辺にはおいしいパン屋さんや洋菓子屋さんなどもあり、魅力的な場所になっていました。

小書店オーナーが集合する本棚

店内に入ると、作品とじっくり向き合える落ち着く空間になっています。壁一面に並ぶ本、空間の中心にある器を静かに見て回りました。

壁や棚には大磯のアーティストさんを含め、たくさんの方の作品が並んでいます。どの作品もそれぞれ味があり、作品すべていねいに見たくなります。

本棚は一枠ごと借りることができ、自身がオーナーになって「小書店」をオープンできるようになっています。小さな本屋さんが集まる様子がおもしろく、本のアパートのようでした。

もちろん「つきやまBooks Arts & Crafts」おすすめのコーナーもあり、見ごたえ抜群。

一角にはお客さん用のメッセージノートがあり、オーナーさんへ思いを伝えることもできるようです。

紙物好きがよろこぶ、現役の活版印刷機とZINE

趣のある階段を登ると、2階には畳の部屋があります。
中に入ってまず目に入るのは、存在感ある活版印刷機。実物を見るのは初めてだったので感動しました。

今も現役の活版印刷機は、実際に名刺印刷の体験ができます。自分の手で活版印刷機を動かして、オリジナルの名刺が作れるなんて貴重な経験になりそう。

名刺印刷のワークショップはメールでの事前予約制。1人でも体験可能で、所要時間は3時間ほど。じっくり活版印刷の魅力に浸れそうです。

その他2階にはコースターや便箋など紙物の雑貨、小ロットで製作するZINE(ジン)が並んでいます。

ZINEは写真・絵・文章など自由な手法で表現し、冊子にまとめた作品のこと。今はSNSなどで個人作品を見ることも増えましたが、あえて紙媒体で手に取れることが魅力です。

表現のジャンルの幅が広いので、思わず手に取ってしまうものが見つかるはず。小ロット生産ならではの紙の質感や色合いなど、見ているだけでワクワクしました。

さまざまな作家さんとの出会いの場

作品数が多く目移りしましたが、今日はレトロなステッカーと小ロット生産の書籍を購入。

お店の中庭には、元お風呂場を改装した茶室兼ギャラリーの「ギャラリーお風呂場」があり、2週間ごとに企画展を開催。

茶屋町カフェのテラス席から「ギャラリーお風呂場」の展示会、企画展を見られる席もあります。おいしい食事やお酒を味わいながら作品も楽しめる気持ちの良い場所です。

もともと「つきやま」は、大磯市(いち)の作家さんのための常設店として始まった場所だったそう。2021年に「つきやまBooks Arts & Crafts」として再オープン。

今では全国から作家さんが集まるようになり、幅広い作品との出会いの場になっています。

大きなイベントを除くと、多くの作家さんや作品と出会える機会はなかなか無いので、とても贅沢な場所ですね。

「つきやま Books Arts & Crafts」の空間で、じっくりと本や作品と向き合う時間を楽しんでみてください。

つきやま Books Arts & Crafts
住所:神奈川県中郡大磯町大磯1156
アクセス:JR東海道線「大磯駅」から徒歩約2分
TEL:不明
営業時間:11:00-17:00
定休日:月曜日

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。